「水性塗料」「油性塗料」について(塗料の種類,耐久性)
「水性塗料」「油性塗料」 施主が得するのはどちらか
塗料の種類が色々あり、ちょっと混乱してしまう方も居ると思うので、
最初に外壁塗装に使われる塗料の種類を整理しておきます。
◆外壁塗装に使われる塗料の種類
アクリル系塗料 耐久年数 約4年
低価格なため、幅広く使われてきた塗料。工事費を安くするために使用する場合もありますが、
耐久年数が比較的短いため、塗り替えの頻度が高くなります。
外壁、特に屋根など風雨にさらされる場所には長期の耐久性に不安があります。
ウレタン系塗料 耐久年数 約6年
アクリル樹脂塗料よりは耐久性もよく、価格も比較的安価なため、もっともポピュラーな塗料として使用されています。
塗料としての性能もまずまずなので塗り 替えによく使われていました。
しかし最近では、さらに性能の良いシリコン樹脂塗料の普及に伴って、使用頻度は減少の傾向にあります。
シリコン系塗料 耐久年数 約13年
紫外線や湿気に強い塗料です。気候や温度の変化にも高い耐久性を発揮するため、外壁、屋根などの塗り替え塗料の主流となりつつあります。
アクリル系やウレタン系に比較すると価格は高めですが、耐用年数が長く、コストパフォーマンスの高い塗料といえます。
フッ素系塗料 耐久年数 約18年
遮熱塗料 耐久年数 約18年
光触媒塗料 耐久年数 約20年
油性なら1液タイプ
◆【水性塗料をお勧めする場合】
①「化学物質過敏症」など、「におい」に対して健康上の問題がある方
②塗装する建物が、病院など不特定多数の患者さんが出入りするため、できるだけ「におい」を少なくしたい所
③どうしても、ご予算を安くしたい方(一般の水性塗料は、油性に比べ安価です)
- アクリル樹脂塗料 水性 耐久年数 4年
低価格なため、幅広く使われてきた塗料。工事費を安くするために使用する場合もありますが、耐久年数が比較的短いため、塗り替えの頻度が高くなります。外壁、特に屋根など風雨にさらされる場所には長期の耐久性に不安があります。 - ウレタン樹脂塗料 水性:耐久年数 8年/油性:耐久年数 12年
アクリル樹脂塗料よりは耐久性もよく、価格も比較的安価なため、もっともポピュラーな塗料として使用されています。塗料としての性能もまずまずなので塗り 替えによく使われていました。しかし最近では、さらに性能の良いシリコン樹脂塗料の普及に伴って、使用頻度は減少の傾向にあります。 - シリコン樹脂塗料 水性:耐久年数 10年/油性:耐久年数 14年
紫外線や湿気に強い塗料です。気候や温度の変化にも高い耐久性を発揮するため、外壁、屋根などの塗り替え塗料の主流となりつつあります。 アクリル系やウレタン系に比較すると価格は高めですが、耐用年数が長く、コストパフォーマンスの高い塗料といえます。 - フッ素樹脂塗料 油性:耐久年数 16年
最大の特徴は、耐久性が高いこと。ただしその分価格も高価です。もともとはビルなど、簡単に塗り替えができない建築物に使用する塗料として開発されたものですが、近年では一般の住宅でも使用されるようになってきました。水性塗料と油性塗料の特徴については以下のようになります。◆水性塗料耐久性…○(高性能の水性塗料については◎)光沢…△
価格…○(高性能の水性塗料については△)
臭わない…◎
◆油性塗料
耐久性…◎
光沢…○
価格…△
臭わない…△
◆水性塗料と油性塗料の違い
水性塗料と油性塗料は塗料の主成分が異なります。
水性塗料は溶剤に水を用いており、油性塗料は溶剤に有機溶剤を多く用いています。
油性塗料の有機溶剤については、VOC(揮発性有機化合物)が多く用いられていますが、
VOCはシックハウス症候群の原因の一つとして考えられているなど人体に害があるとされており、
近年は公共施設などで使用が制限されつつあります。一方、水性塗料はVOCの配合が少ないため、化学物質に過敏な方や健康上の問題がある方にはおすすめの塗料と言えます。
また昨今は環境への配慮からも水性塗料が主流になりつつあるようです。◆高耐久の水性塗料について
高性能の水性塗料はその分価格が高いものが多くなっています。
また、例えば水性の単層弾性塗料などは施工が複雑であり品質の安定が職人によってまちまちであるという点に注意が必要です。
悪意がなくとも手抜きが起こる場合があり、そのような場合でも仕上がり自体には差がないため施工後は確認方法がありません。
水性の高性能な塗料を用いる際は、見積もりの段階で施工業者との十分な打ち合わせを行い、
工程について十分確認を行うと良いでしょう。
◆まとめ
種類
・外壁塗装に使われる塗料の種類は6種類
・それぞれ水性塗料と油性塗料に分かれている
・油性でも溶剤と弱溶剤がある
・さらに1液型と、2つの剤を混ぜないと使えない2液型がある
特徴
・一般的に油性の方が密着性、耐久性に優れている
・水性でも昔よりは性能が向上してきている
・水性は臭いが無いが、油性は臭いがきつい。内装の塗料に油性は使えない
・溶剤2液型がおすすめ
溶剤2液型の塗料は、主材と硬化剤を混ぜる手間もありますし、
混ぜた後は6~8時間で使わなければいけないので使い回しができません。
技術も必要となります。
工賃がかかる、人件費がかかる、難しい・・などという理由で溶剤2液型を使う業者は少なくなってきています。
が、(油性)溶剤2液型こそプロが使う一級品、と業界では言われています。
仕上がりも持ちも違うので、付帯部分にも溶剤2液型を使用することで素晴らしい仕上がりとなります。